フェーズ1「要件分析」
■クライアントの課題
クライアントは日米合弁会社。米国親会社の100%子会社となるに際し、米国の会計基準への準拠が必須となった。とりわけ、大量のリース契約を保有していた同社にとって日米リース会計の差異調整が財務上の最重要課題であった。
■弊社コンサルタントの役割と実績
- 米国リース会計の全体像をプロジェクトメンバーに提示するため、リースに関する財務会計基準書(SFAS)、委員会ガイドライン (EITF)などを網羅した一覧表を作成し、それぞれの概要を説明
- クライアントが従来処理を行ってきた日本基準(旧リース会計、税法基準)との差異を比較明示
- リースバック取引、リース類似取引などのクライアントの個別取引について米国基準での取り扱いを説明
米国リース会計を適用するために必要となるリース契約の細目(リース料、期間、品目、現金購入価格など)を網羅した要件一覧表を提示
プロジェクトの成果
クライアントのリース契約は日本基準によりすべてオフバランスで経費処理(オペレーティングリース)されていたため、リース契約は各拠点で個別に保有しており、一元管理する機能が存在していなかった。リース取引に米国基準を一括適用するためまずは早急に既存・新規リース契約を網羅するデータベースを作成することが次のステップとなった。
フェーズ2「米国基準適用」
■クライアントの課題
クライアントは各拠点の協力を得て大量のリース契約PDFデータを一時に収集しデータベース化した。このリース契約に米国基準を適用した結果の信頼性が親会社、監査法人の監査で受け入れられなければならない。
■弊社コンサルタントの役割と実績
- クライアントのリース契約データ入力センターに常駐し、インプット項目に関するオペレータの疑義に対応しつつデータ精度の保持につとめる
- インプットされたリース契約データをもとに米国基準によるリース判定ツールを開発し、キャピタルリース/オペレーティングリースへの分類を自動化
- リース判定結果に基づく修正仕訳例を提示し、財務インパクトを分析
- 米国リース会計を導入するに際し、クライアントの経理処理規定を策定
親会社、監査法人のリース会計適用ロジックに関する個別質問に対応し、両者からの適正判定を取得
プロジェクトの成果
クライアントのリース契約データベースは弊社が開発した米国基準リース会計ツールにより適切に仕訳処理がされ、親会社、監査法人からも了承された。
フェーズ3「システム化」
■クライアントの課題
弊社が開発した米国基準リース会計ツールはExcelベースであったため、社員が使用するには弊社コンサルタントのサポートが必要だった。そこで、ExcelツールをクライアントのSAP経理システムへ移行して一層の自動化を行い、自社で継続運用することが検討された。
■弊社コンサルタントの役割と実績
- クライアントのシステム担当社員にExcelツールでのリース会計処理手順を解説
- SAPでのユーザー受入テストを行うため、テストシナリオ/プログラムを作成
SAPでのユーザー受入テストを主導
プロジェクトの成果
リース契約管理データベースからの新規契約について、SAPでのリース会計処理を可能な限り自動化することができ、以後自社で安定運用している